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神戸に伝わる、おふくろの味 春を告げるいかなごのくぎ煮

神戸に伝わる、おふくろの味 春を告げるいかなごのくぎ煮

兵庫県神戸市

    2023.03.10 (Fri)

    目次

    80年以上続く、兵庫県神戸市の海産物問屋「樽屋五兵衛(たるやごへえ)」。神戸市の沖合や播磨灘、瀬戸内海などで獲れるいかなごを炊き込んだ、神戸の春の味「いかなごのくぎ煮」を作り続けています。

    「いかなごのくぎ煮」とは、神戸近海の播磨灘で水揚げされたばかりの新鮮ないかなごを、醤油、砂糖、生姜などで、柔らかく炊き上げたもの。煮あがった姿が五寸釘の様な姿をしているため「くぎ煮」の名が付けられたといわれています。

    例年3月頃に旬を迎えるいかなご。足が早く、神戸近海の漁師のまかない飯として食されていましたが、甘辛く味をつけて炊き込むことで保存がきき、ご飯にもよく合う佃煮として重宝されるようになりました。

    一般にまで広く知られるようになったのは、今から約40年前のこと。その頃から、神戸の各家庭でもくぎ煮が炊かれ始めるようになったといいます。毎年春になると、神戸の街中が、くぎ煮を炊く甘じょっぱい匂いで満ちあふれるほどだったとか。
    おばあちゃんのくぎ煮、お母さんのくぎ煮。それぞれの家族にとって忘れられない、温かな春を告げる味として紡がれていきました。
    さらに、スーパーや料理教室などにまで裾野が広がり、いかなごのくぎ煮は神戸市民の味として親しみ深いものとなっていったのです。

    そして、1995年。1月に起きた阪神淡路大震災から立ち上がり、春を迎えた神戸では、いかなごのくぎ煮を炊く風景が、日常を取り戻していく象徴的な姿として注目を浴びました。何気ない神戸の日常に勇気づけられると同時に、全国にいかなごのくぎ煮の美味しさが知られるようになったのです。

    「梅から桜の時期はいかなご漁」とは、古くから神戸に伝わる言い伝え。
    神戸の人たちが、いかなごを早春の風物詩としてどれほど愛し、その時期を待ちわびてきたかがわかります。

    今回ご紹介する樽屋五兵衛は神戸を代表する海産物の専門店ですが、現在でも春になると地域の家々のお母さんがくぎ煮を炊いては、社長のところに持ってきてくれるのだといいます。

    樽屋五兵衛・高田社長
    「『社長さん、私が炊いたくぎ煮を食べてみて!』と何人もの方が手づくりのくぎ煮を持ってこられます。それぞれお味は違いますが、皆、本当に美味しいのです。」

    樽屋五兵衛が目指すのは、神戸の昔ながらの味を絶やさずに守り続けること。
    これまでも、これからも、人と人を繋ぎ、愛される神戸の食として、いかなごのくぎ煮を作り続ける。そのこと自体をとても大切にしているのです。

    漁獲高が落ち込みいかなごが高騰している昨今、くぎ煮は昔のような庶民の食べ物から、貴重なもの、高価な食になりつつあるかもしれません。
    それでも漁期を限定するなど、皆で協力していかなごのくぎ煮を守り続けています。

    ほかほかのご飯に、お酒のお供に。
    優しい神戸の春の味を、この機会にぜひ召しあがってください。

    【新物】生炊き いかなごくぎ煮

    税込 3,240円

    販売期間:4月3日(月)10時まで