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クリスマスこそローカル&サスティナブルな暮らしの気づきを。大丸・松坂屋各店の取り組みをご紹介

クリスマスこそローカル&サスティナブルな暮らしの気づきを。大丸・松坂屋各店の取り組みをご紹介

    2022.11.29 (Tue)

    目次

    冬の足音が近づき、いよいよクリスマスシーズンの到来。大丸・松坂屋各店では年末のクリスマス気分にあわせたさまざまな催しを毎年開催しています。
    特に、今年は、ローカルな暮らしへの気づきや、サスティナブルな社会への貢献を願うプロジェクトへの取り組みが盛りだくさん。本記事でその一部をご紹介します。

    クリスマスを機に、ローカルな暮らしの豊かさや、持続可能な社会に想いを馳せるきっかけになれば幸いです。

    海洋ごみをオーナメントに。美しい海の未来を考えるクリスマスツリー:大丸福岡天神店

    大丸福岡天神店では、2022年11月12日(土)→12月25日(日)の期間で、「2022 White Bless Christmas 〜冬のウミテラシが願うクリスマス〜」を開催します。

    今年のメインツリーは、冬の「ウミテラシ」をイメージし、海を見守る幻想的なウミテラシや白い波を表現。美しい冬の輝きが会場を包み込みます。

    昨今、世界的な問題となっている、海洋プラスチックごみ。
    このプロジェクトは、日本で一番海洋プラスチックごみが漂着する長崎県対馬市と連携し、深刻な海洋ごみ問題の現状を広く伝え、美しい海を守るために何ができるかを考えるきっかけにしてほしいとの思いから実現しました。

    事実、この海洋ごみ問題に関しては、毎年約800万トンのプラスチックごみが海洋に流出しているという試算、また、2050年には海洋中のプラスチックごみの重量が魚の重量を超えるという試算までされています。

    今回、メインツリーを彩るオーナメントには、実際に対馬の海に流れ着いた白い海ごみ(主に発砲スチロール)を使用。

    また、ツリーの周辺には、同じく対馬の海洋プラスチックごみを用い、九州産業大学造形短期大学部のサンドアート作品も展示しています。

    ツリーのモチーフ「ウミテラシ(海照らし)」とは、対馬では国内最大級の3000本も群生している、国が指定する天然記念物のこと。いくつもの時代を超え、対馬の海と共存してきた美しい花です。本来の美しい対馬の海の象徴ともいえるこの花を守ること、そして海洋ごみ問題に向き合うことこそ、私たちが日々癒され、生活を豊かにしてくれる海への恩返しといえるでしょう。

    2022年は、大丸福岡天神店のクリスマスツリーを通じて、海洋ごみ問題をより多くの方との共通認識とできることを願っております。

    お客様に向けたメッセージ
    白く幻想的に輝く「White Bless Christmas ~冬のウミテラシが願うクリスマス~」を多くの方々に楽しんでいただき、クリスマスツリーの下で美しい海の未来を、来場される皆さまと共に想うことができたらと願っています。
    (大丸福岡天神店 スタッフ 箱崎)

    繊維くずがねぷたに、ツリーに。アップサイクルで紡ぐ、伝統とアート:松坂屋名古屋店

    松坂屋名古屋店では、2022年11月26日(土)→12月25日(日)の期間で「NEP*ART TREE 2022」を開催します。

    メインツリーには、今年、青森県五所川原で行われたお祭り「立佞武多(たちねぷた)」の山車に用いられた和紙を使用。どの方向から見ても鮮やかな色合い、ねぷたの豊かな表情が楽しめる多面形状のツリーは、山車の構造までわかるよう木と針金のフレームをあえて可視化。世界でも珍しい、松坂屋名古屋店だけの特別なツリー「NEP*ART TREE 2022(ネップアートツリー)」としてお目見えします。

    この和紙を制作したのは、一般社団法人サーキュラーコットンファクトリー(以下、CCF)。CCFは、洋服を作る工程で廃棄されていた繊維くずをリサイクルした紙「サーキュラーコットンペーパー」を提供しています。

    このサーキュラーコットンペーパーは、日本の伝統である立佞武多の素材に採用され、価値あるアートな山車「SDGs立佞武多」へ進化。立佞武多の制作者からも「耐水性があり、強度も普通の和紙より丈夫だ」と太鼓判を押され、より認知が広がりました。

    通常、こうして山車に使用された和紙は、燃やされて廃棄されることが多い中、今年は松坂屋名古屋店のクリスマスツリーとして、さらにアップサイクル。デザインやアイデアといった新たな付加価値が加わり、SDGsにもつながるプロジェクトとなったのです。

    日本の伝統をアートへ。
    繊維くずから、ねぷたの山車、そしてクリスマスツリーとつながる物語のフィナーレを、ぜひ松坂屋名古屋店で見届けてください。

    お客様に向けたメッセージ
    プロジェクトの最初の頃は「本当に実現できるか?」と悩みましたが、青森で立佞武多(たちねぷた)の実物を見たときに、「絶対このねぷたをツリーにアップサイクルしてお客様にお見せしたい!」と心に誓いました。実現できて幸せなクリスマスを迎えられます。
    (大丸松坂屋百貨店 サステナビリティ戦略担当 米山)

    森林の管理循環、三保松原の環境保全から生まれる美しいリース:松坂屋静岡店

    松坂屋静岡店では、2022年11月30日(水)→12月25日(日)の期間で、環境保全の取り組みから生まれたリースを設置します。

    今年は、昨年に引き続き、静岡市内の人工林を管理循環した際に伐採された木の枝を使った、美しいクリスマスリースを展示しています。

    実は、静岡市の面積の7割以上が森林ということをご存知でしょうか?
    森林には、人の手によって管理循環させている 「人工林」と、人の手が加わっていない「天然林」が存在します。人工林を放っておくと木々の密度が増し、山に日光が届かなくなったり、生物の多様性が失われてしまったりと、さまざまな問題が出てきます。そこで定期的に、森林の手入れを行い、地域環境を改善させる必要があるのです。

    森林を手入れした際に伐採した木は、枝を落とし、建築などに使われるため出荷されます。
    一方、切り落とされた枝は、通常であればそのまま山に捨ててきてしまいます。

    今回は、その廃棄される枝を活用。このリースを制作するため、オクシズにある「玉川きこり社」の協力のもと、その枝1本1本の皮を剥ぎ、丁寧に磨き上げました。すると、現れたのは艶やかでまばゆい白色の木肌。塗装などは一切していないため、リース実物を見ていただくと、生木の温もりと香りが感じられるでしょう。

    また、このクリスマスリースに彩りを加えるオーナメントのひとつが、同じく地域の環境保全活動から集められた松ぼっくりです。

    この松ぼっくりを集めたのは、世界文化遺産・静岡市三保松原の景観保全を行う「三保松原3Ringsプロジェクト」。社会人と学生がチームとなって、1000年先の未来に向けて三保松原を守るべく、松が枯れる原因となる”枯れ松葉”を定期的に掃除する活動を行っています。
    松坂屋静岡店でも、2年前から三保松原の景観保全のための松葉かきをご一緒しています。

    こうして静岡市内で地域保全活動を行う皆さんの力を借りて、今年も美しいクリスマスリースが完成しました。生木の輝き、小さな松ぼっくりのオーナメント一つひとつに、地域を愛する気持ちが詰まっています。
    ぜひゆっくりとご覧になってください。

    お客様に向けたメッセージ
    地域の取り組みを北館1階けやき通り口の美しいリースに込めました。多くの方に知っていただければ幸いです。
    (松坂屋静岡店 スタッフ 木庭)

    まとめ

    冬のしんとした空気の中で輝くクリスマスのツリーやオーナメントは、美しく心癒されるもの。今回ご紹介した大丸・松坂屋各店のプロジェクトでは、その造形すべてが、SDGsの理念とつながり、サスティナブルな社会、暮らしにつながっています。

    それらの根底を支えているのは「ローカルにある豊かな暮らし」。文化や伝統、自然環境を守り、次世代につなげていくこと。それこそが、未来の幸せにつながっていくのです。
    今年の年末は、ぜひ大丸・松坂屋各店に訪れて、新しい時代のクリスマスを感じてみてください。