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[高知のお菓子開発プロジェクト 後編]「目で味わう、高知の風景」絵本作家・柴田ケイコが描く「しあわせミルクサブレ」のパッケージ

[高知のお菓子開発プロジェクト 後編]「目で味わう、高知の風景」絵本作家・柴田ケイコが描く「しあわせミルクサブレ」のパッケージ

    2025.08.29 (Fri)

    目次

      高知の豊かな自然に育まれた希少なジャージー乳を使って、地元の菓子メーカー・株式会社スウィーツと大丸松坂屋百貨店が連携して商品開発した「しあわせミルクサブレ」。そのパッケージには、ミルクの魅力が詰まった心温まるイラストが描かれています。手掛けたのは、高知在住で人気絵本作家の柴田ケイコさん。彼女がこのイラストに込めた想いやふるさとへのまなざしについて聞きました。

      牛と人が育んだもの。では、そのおいしさをどう届けるか?

      「しあわせミルクサブレ」のパッケージ

      高知のいい素材を使い、高知の地元企業との連携によって生まれた「しあわせミルクサブレ」。では、そのおいしさをどう届けるのか。商品開発を担当する大丸松坂屋百貨店のバイヤー・稲垣貴之は「いいものを作れば売れるというわけではありません。高知のいいものを伝えるためには、パッケージでサブレの魅力を届ける必要があります。食べ終わった後も思わず取っておきたくなるように、箱にも価値を付けようと思いました。」と話します。

      左から、大丸松坂屋百貨店のバイヤー・田端優、稲垣貴之

      サブレのおいしさを追求した時と同様に、パッケージをつくる時も「オール高知」がコンセプトです。雪ヶ峰牧場のジャージー乳の魅力をパッケージで伝えるため、高知在住で人気絵本作家の柴田ケイコさんにイラストを依頼することにしました。商品開発を担当する大丸松坂屋百貨店のバイヤー・田端優は「より多くのお客様に届けるにはどうしたらいいかと考えたとき、贈答用のお菓子はとくに包装が分かりやすくないと手に取ってもらえません。柴田さんの絵本には動物や食べ物がたくさん出てくるので、雪ヶ峰牧場のジャージー牛やミルクの魅力が絵を通して伝わればと思いお願いしました。」と振り返ります。

      箱のフタを開くとまるで絵本のようなつくりになっている

      絵本作家の柴田さんのイラストを生かそうと、パッケージは本型に決まりました。本の表紙をめくるようにイラストを楽しんでもいたいという想いが込められています。イラストには、雪ヶ峰牧場の紹介文を添えました。

      パンどろぼう」の作者が描いた、もうひとつの“高知の風景”

      高知在住で人気絵本作家の柴田ケイコさん

      インパクト抜群のキャラクターとワクワクするストーリーで、子供から大人までを夢中にさせる絵本「パンどろぼう」シリーズ(KADOKAWA)。その生みの親、柴田ケイコさんは、人気作家となった今もふるさとの高知県で創作を続けています。

      地方は都会に比べると、新しいものがどんどん入ってくるわけではありません。それでも、高知にいると、豊かな自然から生み出される感性があると、柴田さんは話します。

      「高知にはいい素材がたくさんあるのに、その魅力をうまく発信できていないところがあるなと感じていました。パッケージのイラストを通して、高知の役に立てることができたらうれしいなと思います。」

      雪ヶ峰牧場で見たもの、感じたことを「絵にする」

      パッケージのイラストを描くために、雪ヶ峰牧場まで視察に行った柴田さん。
      「高知にこんな大きな牧場があったなんて知りませんでした。景色が圧巻で、牛がゆったりと過ごしている様子も印象的。ジャージー牛の特徴を捉えようと、じっくり観察しました。」

      雪ヶ峰牧場のジャージー牛

      視察のときに牛の出産という、貴重な場面に出会ったそうです。
      「生まれた子牛が立ち上がるまで周りの牛たちが近くでそっと見守っていました。立ち上がるまで牛の力だけで人の手を借りずに産んでいて。自然のなかで育つとはこういうことなんだと思いました。」

      原画とパッケージ

      パッケージの表紙には、温かいミルクが入った湯船に浸かり、目をつぶってのんびりしているジャージー牛が描かれています。クスッと笑えるイラストは、絵本作家の柴田さんならでは。

      「ゆったりと放牧で育てられていたので、牛が癒されている絵にしたいなと思って描きました。絵本と同じで、お客さんが手に取る時にパッと分かりやすい絵になるように心掛けました。」

      草原でのびのびと過ごすジャージー牛が表現されています。

      パッケージの側面や裏側にもジャージー牛が描かれています。

      絵本をイメージしてつくったパッケージには、表紙をめくると雪ヶ峰牧場の風景画があります。ジャージー牛が牛乳瓶を片手にひと息ついていたり、本を開いて読書していたり。思い思いに過ごす様子が表現されています。

      「ジャージー牛は耳が丸くて可愛らしい顔をしていました。頭の上に生えている毛にも個性があったので描きたいなと思いました。」

      この一箱に、高知の“今”が詰まっている。

      雪ヶ峰牧場の風景を包み込んだパッケージが加わりました。まさに、見て感動、開けて感動、食べて感動の一箱。

      地方にはいい素材をつくる生産者がいて、その素材の魅力を引き出そうと努力する地元企業がいます。地方にそれぞれの道を極めるプロがいることを、「しあわせミルクサブレ」を通して知ったと稲垣は話します。

      「高知大丸は高知県に唯一ある百貨店です。外からの目線を持つ百貨店が、地域にあるいい素材と地元企業のつなぎ役になることで、地方でいいものが生まれるのだと思います。」と口を揃える稲垣と田端。その言葉どおり、地元と連携した商品開発から、百貨店として地域のためにできることの新たな道すじが見えてきました。

      「しあわせミルクサブレ」についての詳細はこちら
      https://think-local.dmdepart.jp/information/20250829/