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ホテルを起点に街を楽しむ。「OMO7高知 by 星野リゾート」が提案する、新しい地域滞在のかたち

ホテルを起点に街を楽しむ。「OMO7高知 by 星野リゾート」が提案する、新しい地域滞在のかたち

高知県高知市

    2025.07.31 (Thu)

    目次

      2024年に開業した「OMO7高知 by 星野リゾート」。同ホテルには高知の文化や暮らしを五感で体験できる仕掛けが充実しています。単なる宿泊施設としてではなく、旅人と地域をつなぐ拠点として、街を楽しむ滞在のかたちを提案しています。今回は地域とともに歩むOMO7高知を取材しました。

      OMO7高知が描く「地域滞在」

      ホテルに入ると、土佐犬がお出迎え。

      星野リゾートが提供する「OMO(おも)」ブランドが掲げるコンセプトは「テンション上がる『街ナカ』ホテル」。街ナカに立地し、宿泊客に街をつなぐテンション上がるサービスを展開する同ブランドのホテルは、北海道から沖縄まで全国16カ所で展開されています。

      「OMOベース」と呼ばれる共有スペースが充実しているのも「OMO」ブランドならでは

      同ブランドは「OMO1」「OMO3」「OMO5」「OMO7」「OMO Airport」の5種類が存在し、数字が振られている場合はそれがサービスの幅を示しています。

      • 各地に根ざしたフードメニューが展開される「OMOカフェ&バル」も魅力

      • OMO7高知の名物ともいえるカツオドッグと、みょうがネード

      決してその数字は「ランク」というわけではなく、その街に最適な旅のスタイルに沿ってナンバリングが振られており、「OMO7」では食事や大浴場などを備えたフルサービスを提供しています。

      • 大浴場には高知風の大漁旗ともいうべき「フラフ」をモチーフにしたタイルア―トが。

      • 露天風呂からは高知にゆかりのある植物を眺めることができます。

      OMO7高知は「こじゃんと楽宴(らくえん) さぁ、夜さ来い!」をコンセプトに掲げており、高知らしいおもてなし文化がホテルの至るところに根付いています。「こじゃんと」とは土佐弁で「めいっぱい、たくさん」という意味。「楽宴」は客を招いて大勢で料理を囲みながらお酒を楽しむ高知の宴会文化「おきゃく」を表す造語。「夜さ来い」とは高知発祥の「よさこい祭り」や「宴を楽しむために夜においで」ということを示しています。この土地ならではの文化を宿泊を通して体験してもらい、知らず知らずのうちに地域を好きになってもらいたい、そんな想いが込められているそうです。

      食事はビュッフェスタイルです。

      泊まるだけじゃない、OMO7高知ならではの宿泊体験

      森林率が日本一の高知県。パブリックスペースの「OMOベース」には、木の温もりがあります。

      各地の文化を取り入れたサービスを展開するOMOブランド。OMO7高知には、泊まるだけで高知の文化を知ることができる仕組みがギュッと詰まっています。下調べをしていなくても大丈夫。ホテルで過ごすうちに、地域の楽しみ方が見えてくるはずです。それでは、ホテルの中を見ていきましょう。

      スタッフおすすめの飲食店などをまとめた「ご近所マップ」は街歩きにぴったり。

      まず、ホテルに入ると、「OMOベース」と呼ばれるユニークなパブリックスペースが出迎えてくれます。OMOベースには、スタッフがおすすめする地元の飲食店や観光スポットをまとめたマップが壁一面に。ガイドブックに載っていない、ディープな高知を楽しむための情報が充実しています。

      • チェックインカウンター。ウェルカムドリンクとして、高知県産の文旦ジュースを用意しています。

      • 地元企業とコラボしたお土産も。ここでしか買えないものばかりです。

      • 大階段は夜になると、よさこいライブの会場になります。

      ホテル滞在での楽しみといえばやっぱり「食」。OMO7高知では、郷土料理の皿鉢(さわち)料理をイメージした円形のビュッフェテーブルから好みのものを選び取って「マイ皿鉢」を作ります。高知の海の幸と山の幸を盛り付けて高知の食文化をまるごと楽しめます。

      • 高知の海の幸、山の幸を盛り付けて「マイ皿鉢」に。

      • 高知の名物、カツオの藁焼きの実演もあります。

      客室にも高知らしさが随所に。壁紙には土佐和紙が使われているほか、土佐犬が宴会を楽しむ様子を描いたウォールアートが旅人を出迎えます。窓の外に広がる街の風景とともに、地元の空気感をじっくりと味わえる空間です。

      • 高知独自の宴会文化「おきゃく」をイメージした客室。こちらは「うたげスイート」(定員4名)

      • こちらはもっとも部屋数の多い「うたげセミスイート」(定員3名)

      高知をまるごと味わう。“ローカル”を体験できるホテル

      「よさこい“楽宴”LIVE」は毎晩21時から開催される。踊り手はすべてホテルスタッフ

      高知の魅力がホテルの随所に詰まっているOMO7高知。「街を楽しんでほしい」という想いは、ホテルの空間だけにとどまりません。高知の夏の風物詩であるよさこいや宴会文化のおきゃくなど、ホテルにいながら高知の文化を体験できるアクティビティが充実しています。

      お座敷遊びを体験する宿泊客

      そのひとつが、毎日開かれる「土佐のおきゃく講座」です。講座では、スタッフからお酒と交流を楽しむ高知独自の宴会文化の魅力を学びます。六角形の駒を回して軸が向いた方に座っている人が、駒に出た絵柄の杯でお酒を飲み干す「べく杯」など、宴会のお座敷遊びを実際に体験できる貴重な機会です。

      お客さんも鳴子を持って一緒に盛り上がります。

      夜になると、「OMOベース」は高知の夏の風物詩「よさこい祭り」の熱気を体感できる舞台に早変わり。鳴子の音とともに、熱気あふれる踊りを目の前で見ることができます。観客も一体となって踊りを体験できるのも魅力です。街に出て遊んだ後に、ホテルに戻ってからも高知の夜を楽しむ工夫があります。

      客室で二次会を楽しめる「酔っちょれセット」にはレンタル「べく杯」も含まれている。

      スタッフが案内する、ディープな高知

      ツアー出発前に街やお店自体の特徴をわかりやすくまとめて解説。今回の案内人は「OMOレンジャー」池内里早さん

      街全体をリゾートと捉え、地域を楽しんでもらうのがOMOブランドのコンセプトです。地域を知り尽くしたホテルスタッフと一緒に高知の街を巡るツアーも用意しています。

      より高知の日常を体験してもらいたい、そんなスタッフの想いから企画したのが、日曜市や木曜市を案内するツアーです。高知では曜日ごとに街路市が開かれ、曜日によって異なる場所に露店が並びます。地元の人もよく利用する街路市の魅力を伝えようと、街を知り尽くしたご近所ガイド「OMOレンジャー」が市場を巡ります。

      「OMOレンジャー」が案内する「酢がきいちゅう、日本一の日曜市ツアー」。

      高知の街路市の魅力といえば、旬の食材はもちろん、地元生産者との楽しいやりとり。「酢がきいちゅう、日本一の日曜市ツアー」では高知の観光名物のひとつでもある日曜市で、絶対に外せないおすすめを「OMOレンジャー」が教えてくれます。こうした、高知の人の魅力もサービスの一部になっていると、「OMOレンジャー」の池内里早さんは話します。

      「ツアーで何度も街路市を訪れていると、店主の方々からスタッフや宿泊のお客者様に声をかけていただくことがあります。高知の人の温かさには本当に助けられています。」

      「土佐のスーパーマーケットツアー」、今回訪れたのは「サンシャイン クレア」。

      OMO7高知では街路市のツアーに加え、「より日常に近い高知の食文化を体験してほしい」というスタッフの発案で、「土佐のスーパーマーケットツアー」を実施しています。ツアーではスタッフと地元スーパーの店内を巡りながら、高知ならではの商品を紹介します。インターネットで検索しても出てこない、高知県民が親しむ味や食べ物について教えてもらうことで、高知でしか手に入らないお土産が見つかります。

      地元を知り尽くしたスタッフがスーパーの中でもさまざまな商品の紹介をしてくれるのが魅力。

      「土佐のスーパーマーケットツアー」は回数を重ねるうちに、「高知のおみやげはこれ!」と書かれたポップをスーパーの店内で見かけるようになったそうです。

      「地元向けのスーパーの方々に観光客向けのポップまで用意していただいたことに感動しました。地元の人にとったら当たり前なものでも、立派な観光コンテンツになります。その地域にしかない文化、食材を見つけて、お客様にどう伝えていくのかを日頃から考えています。」と池内さんは話します。

      ホテルと地域がともに目指すもの

      ホテルの空間だけではなく、高知の街や日常を楽しむ仕掛けが随所に存在するOMO7高知。観光地を巡るだけでは得られない地元の人の温かさや暮らしの息づかいを、ここに宿泊することで体験できます。

      地域に寄り添ったおもてなしを実現できるのは、現場のスタッフ自らが企画してサービスを展開できる、星野リゾートの企業風土があるからです。チェックイン対応などの接客業だけではなく、清掃などの非接客業も合わせて経験することでお客様のニーズに気づくことができると、総支配人の立川さんは話します。こうした、スタッフひとり一人の気づきが「土佐のスーパーマーケットツアー」をはじめ、宿泊客に地域の魅力を伝えるサービスにつながっています。

      OMO7高知・総支配人の立川久美子さん

      「地域があってこそのOMOブランドです。高知を盛り上げる発信拠点のようなホテルになることが目標です。わたしたちスタッフと地域の方、お客様の全員が笑顔になるように、これからも取り組んでいきたいです。」

      泊まることで街を楽しむことができるOMO7高知。旅人と地域をつなぐホテルのヒントは、スタッフが日々案内する街歩きや地域との交流にありました。

      OMO7高知

      公式ウェブサイト(外部サイトへ移動します。)https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/omo7kochi/