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高知市民に根付くおでかけ「おまち」。高知大丸がつくる現代版コミュニティーとは?

高知市民に根付くおでかけ「おまち」。高知大丸がつくる現代版コミュニティーとは?

高知県高知市

    2023.06.30 (Fri)

    目次

    現在、国民的ドラマの舞台として、注目を浴びる高知県。そんな高知県に、人々から長年愛されてきた通称「おまち」というエリアがあります。「おまちに行けば、何でもそろう!」と、高知市民のコミュニティーの中心地として栄えてきたおまち。その中にある「県内唯一のデパート」が高知大丸です。「現代版おまち」としての役割に注目した、高知大丸が行う取り組みとは? 高知大丸 営業推進部の森本憲吉に話を聞きました。

    高知市民の憩いの場「おまち」って?

    高知城下に広がる「帯屋町アーケード」を中心とした通称「おまち」。高知市民から長年愛されてきたエリアで、居酒屋やカフェ、雑貨屋などさまざまな商店が軒を連ねる市民憩いの場です。日曜日には、300年以上続くといわれている「日曜市」(約1キロに渡って400以上のお店が出店)が開催されており、市民だけでなく観光客からも広く愛されています。

    そんな「おまち」エリアの代表格の1つともいえるのが「高知大丸」。「おまちにはデパートもある」と、市民の流行を牽引してきた高知大丸ですが、2022年3月、創業75周年を機に「地域共生型百貨店」として本館をリニューアル。。同年9月には高知県内の食材が楽しめるフードコートや、グローサリーショップが入った「OMACHI360(オマチサンロクゼロ)」を東館にオープンさせ、より高知を感じられる百貨店として生まれかわりました。

    高知唯一の百貨店だからこそ、地域の独自色を! 2022年9月にオープンした「OMACHI360」

    • OMACHI360。人と高知を繋ぐエリアとして、2022年9月にオープン

    「長年高知大丸は、『おまちの百貨店』という愛称で親しまれてきました」と話すのは、OMACHI360担当で高知大丸 営業推進部の森本憲吉。OMACHI360の経緯として、「360度全ての方向に、情報を発信できる百貨店にしたい」との想いが込められた「360」と、高知の愛される場所「おまち」を掛け合わせた名前が採用されたのだといいます。

    「全国にデパートがありますが、高知大丸は高知唯一の百貨店として独自色を出していこうと決めました。親しまれた『おまち』に根付く百貨店だからこそ、ただ買い物をしていただく場所ではなく、改めて高知の良さを知ってもらい、人々を繋いでいくエリアにしたい」と森本は意気込みます。

    人を繋ぐ場づくり。360PLACEで実施された「高知アンビシャスの会」イベントレポ

    「食」と「モノ」と「人」がつながっていくローカリティフロア「OMACHI360」。その中にある『360PLACE』で、現在定期的にさまざまなイベントが開催されていますが、人気があるのが『高知アンビシャスの会 ファーマーズマーケット』です。

    「環境に優しい農業を実施している生産者を応援したい」という想いでスタートしたイベントで、生産者の方の声を直に聞きながら野菜や果物を購入することが可能です。

    • 「生のままかぶりついてみて!」と勧められ、大きな口でかぶり!「野菜ってこんなに甘いの!?」と思わず笑顔に。野菜の美味しさだけでなく、高知の皆さんのあたたかい人柄にも触れられます。

    ファーマーズマーケットを企画するのは、「高知アンビシャスの会」代表の小松里枝さん。OMACHI360での開催が今回で8回目になると語る小松さんですが、おまちというエリアで開催できることの意義について、「イベントのワクワク度が変わってくる」と話します。

    「環境に優しい農業・野菜つくりは、はるかに手間がかかる。だからこそ、農家さんに光を当てて、農家さんがワクワクする場をつくっていきたい!」と笑顔で話す小松さん

    「おまちは高知の人にとってはとても馴染み深い場所。そんな誰もが知っている場所で開催できることは、出店者さんにとってもうれしいことだと思うんです。知り合いからも『高知大丸で開催するなら行きやすい』っていってもらえますし、みんなが立ち寄る場だからこそ、買いにもいきやすい。ファーマーズマーケットに出店してくれる方々がつくる野菜は、皮ごと食べられるものがほとんどで、何よりも旨み成分が強くシンプルに美味しい。良さを知ってもらって、食べてもらうことで、まずは彼らのファンになってほしいですね。それが大丸が実施している、『人を繋ぐための場をつくる』ということなんだと思います。」

    交流が商品づくりのモチベーションに! OMACHI360出店者の声

    実際に出店している生産者の方々はどんな風に感じていらっしゃるのでしょうか。四万十川中流域で野菜の生産と加工品を製造する『四万十野菜合同会社』の濵﨑龍一さんはファーマーズマーケット実施にあたり、「実際にお客さんと顔を合わせて販売できることは、従業員のモチベーションに繋がる」と話します。

    「うちの野菜は皮ごと食べられるので、SDGsです!」と笑顔で話す、四万十野菜合同会社の濵﨑さん

    「僕自身は今回で4回目の出店なのですが、確実にファンの方が増えてきているなという印象。僕たちが直接出向くからこそ『この人、前回も来ていただいていた方だな』などと気付くんです。僕たち生産者はなかなか直に消費者の皆さんの声を聞く機会はないですが、イベントでいただいた声を従業員に伝えると、とても喜んでくれるんですよね。そこからモチベーションが生まれて、次の商品づくりに繋がっているなと思います。」

    高知アンビシャスの会の皆さん

    地方大丸再生のカギ!? 「高知大丸ローカリティ研究所」

    「地域共生型百貨店」としてさまざまな取り組みを進めている高知大丸ですが、地域に特化した独自の取り組みの1つが高知大丸のLocality(地域性)を探究する「高知大丸ローカリティ研究所」、通称「L_LAB(エルラボ)」の立ち上げ。

    「地方大丸の再生のカギは、どうやらLocalityにあるらしい」を合言葉の元、過去には新聞バッグづくりのワークショップを行ったり、インドア派のアウトドア体験会を実施したり、アクションを起こし続けているL_LAB。取材に訪れた6月18日はちょうど父の日ということで、「手紙を書くのは恥ずかしいというお子さんのために、通知表なら日頃の感謝を伝えやすいかも!?」とL_LABが「父の日通知表」を考案し、買い物に来たお客さんたちの親子間のコミュニケーションを促していました。

    • 6月1日→18日まで配布されていた『父の日通知表』。項目には「高知力」なども記載されており、クスッと笑ってもらいながら親子でコミュニケーションがとれる仕掛けがつくられています

    おまち文化を育む高知大丸。市民に愛されるコミュニティーを目指して

    創業75周年を機に、より一層市民に愛されるデパートへとチャレンジし続けている高知大丸。7月には「土佐の紙に描く 晴々会 日本画新作展2023」と題して行われる、現代の日本画壇を代表する約30名の作家たちが、土佐の和紙に描いた新作展を開催するのだそう。

    7月5日→11日に高知大丸本館5階にて「土佐の紙に描く 晴々会 日本画新作展2023」実施!

    これからも、「OMACHI360」でのイベントをはじめとしたさまざまな催しを通して「『おまち』に根付く現代版コミュニティーとしての役割を考えたい」と担当者の森本は語ります。

    「高知に大丸があってよかったと思ってもらえる場づくりをしていきたい」と意気込みを教えてくれました

    地域に本気で向き合い続ける高知大丸の活動にこれからも注目です。

    高知大丸 イベント情報(外部サイトに移動します。)
    https://shopblog.dmdepart.jp/kochi/contents/omachi360/

    高知の楽しみ方情報(外部サイトに移動します。)https://shopblog.dmdepart.jp/kochi/contents/tabidaimaru/